切削液(油)を使用することによる効果

一般的に切削加工工場では切削液(油)を使用するのですが、その効果はいくつかあります。
まず、加工の際に工作機械と被切削物の間に摩擦が発生するのですが、その摩擦を少なくする潤滑作用があるのです。
これにより切れ味が良くなり、加工の精度も上がるので、加工作業もスムーズになります。
二つ目は冷却作用による効果です。
金属を削る時、加工面は熱を発生させますが、この熱が原因で金属が変形したり、機械が劣化したりしてしまいますが、切削液(油)の冷却作用が発熱を抑えてくれます。
また、切削液(油)が被削物と工具との間に流れ込むことで、工具と被削物の間に溜まった切クズなどを洗い流し除去します。
これにより加工面の精度を上げ、仕上げ面を美しくし、寸法の精度を上げてサイズのバラツキを防止するだけでなく、工具の劣化防止にもなるのです。
また切削液(油)には錆び止めの効果などのメリットもあります。

切削液(油)を濾過すると生産効率改善される理由

工場で長期的に循環使用される切削液(油)は常に外気と接するということもあり、バクテリアや酵母、ホコリやチリなど微生物の混入が起こりやすい環境です。
また、微生物が繁殖すると冷却効果のあるクーラントの濃度が低下してしまいます。
クーラント濃度が低下することで、錆び止め効果が低下し、切削性の低下が起こってしまうのです。
また、微生物が発生することで切削液は腐敗しやすくなり、腐敗することで切削液(油)がドロドロのヘドロ状となり悪臭も発生し、工場の労働環境を悪化させます。
さらに機械のフィルタや給油コックなどが目詰まりしやすくなるため、作業効率が悪くなり、工作機械の故障や加工の精度の劣化を引き起こすのです。
切削液(油)の劣化を防止し腐敗を予防するには、定期的に切削液(油)を濾過しなければなりません。
濾過することでゴミを除去し腐敗しにくくなり、加工の精度も向上するので、作業効率アップにもつながるだけでなく、コストの削減にもなります。