水溶性切削液の濃度管理の重要性について

水溶性切削液は基本的には水で薄めて使用することになります。
これにより、潤滑だけではなく、冷却などの効果を発揮することができるわけですが、水溶性切削液を使用するにあたっては、その濃度管理が重要になってくるのです。
濃度管理は、適当に水で薄めればいいのでは?と思うかもしれませんが、実は現場においてはこの濃度管理が、製品の品質を左右するものにもなってくるのです。
では、濃度が濃すぎた場合、あるいは薄すぎた場合にはどのような不具合が生じてくるのでしょうか。
濃度が濃すぎた場合は、いわゆる「ねばり」が強くなりすぎてしまうことが考えられます。
これにより本来の冷却の作用をうまく働かせることができなくなったり、あるいは作業者の皮膚に切削液が長く滞留してしまい、皮膚へのダメージを増加させることにもなってしまうでしょう。
そして、薄すぎた場合には、潤滑作用がうまく働かない場合があります。
すぐに流れ出してしまい、接触部分の潤滑がうまく働かなければ、製品に傷がついてしまう恐れもあるのです。
このように、ただ水溶性切削液の濃度管理と言っても、濃すぎても、薄すぎてもいけないということを考える必要があるのです。

水溶性切削液の濃度管理の方法

では、適切に濃度管理を行うためにはどうしたらいいのでしょうか。
基本的には切削液の説明書きに記載の通りの水で希釈することが重要です。
目分量などで行っている現場もあるかもしれませんが、本来的にはきちんと計量することによって、その切削液が持つ本来の力を発揮するのです。
また、長時間希釈済みの切削液を放置する場合には、使用する際に再度濃度を確認することも重要です。
蒸発などにより水分が飛んでいる場合は再度水を足す必要もあります。
ですが、一回希釈したものの濃度を改めて計測することは難しい側面もあります。
できれば、使うたびに希釈するのが良いでしょう。