セラミック加工の切削液ろ過

ろ過の目的

切削粉・微細スラッジの除去
• 数µm~数十µmの砥粒やセラミック粉末を捕集する。
• 刃先噛み込み、チッピングを防止する。

冷却・潤滑性能の維持
• 浮遊異物が油膜を乱さないよう維持し、熱伝達性・潤滑性を一定に保つ。

装置保護と安定供給
• ノズル・配管の詰まりを防ぎ、圧力・流量を安定させる。
• ポンプ負荷の増大や振動、故障を低減させる。

 

セラミック製品(非磁性)に対しマイクロキャッチろ過装置は効果絶大
セラミック加工の切削液ろ過のようす

セラミックを加工する切削液のろ過の様子です。
左からろ過開始時、5時間後、13時間後のようす。
5時間後、リキッドクリーニングボールのホースがうっすら見えるようになり、13時間後にはコンテナの底まで透けて見えるようになりました。

 

ろ過装置各方式別の特徴

ろ過方式 セラミックろ過対応 設置のしやすさ
移動のしやすさ
ろ過性能 ランニングコスト
(消耗品)
メンテ性能
(消耗品交換時)
メンテ性能
(装置本体)
浮上油、浮上スラッジ除去機能 故障懸念
μキャッチろ過装置 単純構造のため
故障発生箇所少ない
カートリッジ式フィルタ
使用ろ過装置
不明
遠心分離方式 偏心荷重によるモータ
軸受け損傷多い
サイクロン方式
ろ過能力:
粒径10μm以下は
非対応
スラッジによる吸込みノズル
摩滅が進行し口径拡大。
→流速低下
→分別能力低下
マグネットセパレータ
オイルスキマー
寸評 非磁性品
対応不可。
【マイクロキャッチ】
移動設置前提の設計。
・1180×530×1280mm
・キャスター付き
・各種配線配管はコネクタ式
【他方式】
メーカーによりサイズ対応可否分かれる
【マイクロキャッチ】
0.5~7μmフィルタ選定+運転条件で調整可能。
【サイクロン方式】
除去可能粒径は10μm以上
【マイクロキャッチ】
約2万円/50m巻
【カートリッジ式】
5~8万円/1本
【遠心分離】
【サイクロン】
消耗品不要
【マイクロキャッチ】
フィルタをホッチキスで止めるだけ。
【カートリッジ式】
交換時に装置停止時間長く交換作業労務大
【マイクロキャッチ】
装置停止が必要なメンテはない。
【カートリッジ式】
収納部分の清掃が必要。装置停止時間が長い。
【マイクロキャッチ】
オプションのリキッドクリーニングボールにて浮上異物はすべて除去可能。
他方式は浮上油対応不可。
【マイクロキャッチ】
ろ過ポンプのメカニカルシール機能が徐々に低下し交換必要となります。

期待できる効果

・加工面のカジリ・チッピング削減による面粗度向上
・ノズル詰まりゼロに近い連続運転でサイクルタイム安定化
・切削液交換頻度の長期化、砥粒ロス低減によるランニングコスト削減
・工具寿命延長と加工品質の再現性向上

適切なろ過システムを組むことで、セラミック加工に特有の細かい粉塵・砥粒を除去し、切削液本来の冷却・潤滑機能を維持できます。
マイクロキャッチろ過装置を取り入れれば、工具寿命と生産性を同時に高めることが可能です。