コニテクコラムColumn

 » 切削液の腐敗による労働環境の悪化

劣化しやすい水溶性切削液(油)

金属加工などの工場で使用される切削液(油)は、金属を切削する際に摩擦の抑制と冷却のために使用されるものです。
切削液は専用のポンプの中を常に循環しており、ろ過されて何度も使用されます。
しかし、何度も使用されることで空気に触れる回数も増加するため、腐りやすくなります。
特に油を溶剤によって水に溶かして希釈し使用する水溶性切削液は、油剤成分が少なく大部分が水なので、希釈する水の性質によって変化しやすく、劣化しやすいという性質を持っているのです。
腐敗しやすいというデメリットのある水溶性切削液ですが、冷却が優先される加工に向いているということ、コストが削減できること、さらに廃棄時の環境負荷が低いということもあり、現在では水溶性切削液(油)が主流となっています。

切削液(油)の腐敗による労働環境の悪化

金属加工工場は一般的に高温多湿で、バクテリアやカビなど微生物が増殖しやすい環境が多いです。
これらの微生物が発生すると腐敗臭が出るのですが、従業員はその臭いを嗅ぎながら働き続けなければなりません。
切削液(油)の悪臭は、工場で働く人にとっては当たり前の事でした。
しかし、あまりにも臭いがキツイため、仕事に集中できなくなったり、体調不良を起こしたりする人も多く、そんな状況下では従業員が育つはずがありません。
さらに、長期的に働き続けると気管支喘息や肺ガンなどの病にかかるリスクも高まるといいます。
また、劣悪な作業環境は従業員の集中力をそぎ、製品のクオリティーを低下させてしまうでしょう。
そのため、抗菌性の高い切削液を使用し、適切な水質の希釈水で希釈する、防腐剤を入れて殺菌する、といったことで腐敗を予防することが大切です。
腐敗は夏季に発生することが多いため、クーラントを冷却して切削剤の温度を下げることで、微生物の増殖を抑制できます。
さらに、空気中の炭酸ガスがクーラントのpHを下げ、微生物を増殖させるため、エアレーションは行わないようにしましょう。